末武造園土木です
植えても毎年枯れてしまうシラカバ(ジャコモンティー)。暖地性のシラカバですが、あまりに日当たりの良いところ且つ夏の気温は暑い場所ですから、樹木の特性としてこの地で本当に耐えられるのかどうかは考えさせられるところです。
ただ、環境圧以上に芝への灌水による「過湿害」が疑われます。ジャコモンティーの植替えに先立って、過湿害を避けるための土壌構造改良を施します。
新築時に、建物とお庭の意匠を考えてエクステリア屋さんが作られたお庭なのでしょう。
芝地と植込み、それにシラカバの白さが素敵なシンプルなお庭ですが、シラカバ(ジャコモンティー)が枯れてしまい、植え替えても再び枯れてしまったとのこと。
お庭を作られたエクステリア屋さんに相談したのですが、解決策が全く的を得ないそうで、とても緑を大切にされるお客様から当社へインターネットよりお問い合わせを頂きました。
植えられた2本のシラカバは両方とも枯れてしまいましたが、一方は「カミキリムシ」の幼虫による穿孔害で枯れています。
これは防除しか方法がありません。
問題はもう一方の芝地内に植えられているシラカバ。
病害は見当たりませんが枯れたのは事実。
現地の状況、お客様の管理方法、その他いろいろとお話を伺い、また現地を観察することで、芝の管理で与える「水」が、シラカバの根系周りにに滞留する量が多すぎて過湿害で弱り枯れたと考えるに至りました。
根系周りの土壌は「土壌構造」が無構造で、粘性が強く、礫が多く、強く締め固まり、その結果として排水性が悪くなっています。
過湿害の解決策として、下方への排水性が良い土壌へと土壌改良します。
本来なら排水層を設けた上に排水誘導を行うのですが、周囲の環境などから無理と判断します。今回は植付部より下に「排水滞留層」を作ります。余剰水は徐々に地中に浸透してもらいます。
根張りを考えた大きさから更に10cmほど深く掘り下げ、そこへDOパイプを設置します。
これは土中及び根系への通気性を持たせるためのパイプで、軽い過湿状態でも根腐れを防ぐ効果があります。
更に、植え穴底部にはパーライトという黒曜石を高温で発泡させたものを敷き詰めます。
これにより、土中を下方へ下がった空隙水はパーライト層で重力水となり、再び根系周りの土壌に戻らないよう滞留させます。
元の粘性土で植えては、やはり都合がよくありません。
土壌改良材で透水性排水性を向上させます。
無機質系土壌改良材で透水性を向上させ、また有機質系土壌改良材で土中有機分の補充と有用微生物量の増大と活性化を目指します。
排水性と透水性は確保できましたので、芝への冠水に起因する過湿状態は解消されます。
これで根系へのストレスは相当に解消されています。
あとはこの地に「シラカバ(ジャコモンティー)」が適応できるかどうかです。
今回は少し小さめの2m少々のものを植付ます。
これでも枯れてしまうようなら、樹種変更をお勧めします。
根元周りには、木のチップでマルチングを施します。
これによって夏場等の土壌の乾燥を遅らせることができます。
またあまり細かいウッドチップでは発酵によるガス害が出やすいのですが、大きな粒で且つささくれの少ないチップは腐朽が遅く、ガス害の心配もありません。
あとは、来シーズン春に再び芽吹いてくれることを期待しています。
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