末武造園土木です
日本の原生松林に蔓延する、いわゆる松枯れ病、正式には「松材線虫病(まつざいせんちゅうびょう)」といい、その原因は「マツノマダラカミキリ」が媒介する「マツノザイセンチュウ」という長さ1mmにも満たない小さな線虫。松が枯れ色を呈した時点で救うことのできない伝染病です。
発症のメカニズムと予防方法、また樹幹注入剤を施用するときのコツです。
お客様より「葉色が変わり始めました。3日経過して、どんどんと色が悪く(茶色に)なっています」とのご連絡を頂き、早速出向きました。
ただし、枯れを治すためではなく、枯れたことの判断と原因の判定を行うためです。
今回は発病後ということもあり、救済は不可能です。
「松材線虫病」は日本中に蔓延している病気で、「マツノマダラカミキリ」が宿主となり、寄生する「マツノザイセンチュウ」によって引き起こされるものです。
発病時期は8月後半〜9月下旬頃が最も多いように感じています。
マツ枯れの原因は、「マツノマダラカミキリ」が「マツノザイセンチュウ」を媒介することに起因します。
近隣に「マツノザイセンチュウ」により枯れてしまったマツがある場合、その枯マツをもとにして、「マツノマダラカミキリ」が周囲の松へと病原を拡散させていきます。
マツ枯れを確実に防ぐには、薬剤による予防処置を行います。
庭や公園など本数の限られている防除は薬剤の「樹幹注入」です。
樹幹注入の利点は、空気中に薬剤の水滴や霧が漂わず、安全に薬剤を使用できることが第一に挙げられます。
また樹幹に直接注射することで、確実な薬効を期待できます。
反面、樹幹内に異物を直接注射するわけですから、不用意な部分へ薬液が入ってしまうと「薬害」で部分枯損等が発生しますが、正しい使用方法に従うことで、薬害は殆ど発生しません。
樹幹注入の施用時期は春先、12月〜2月後半の、松の活動前に行います。
発症後の薬剤処置は、何の効果も期待できません。
7月頃、羽化したマツノマダラカミキリ(宿主)がマツの樹皮を食害します。そのとき宿主の気門(空気を吸う穴)から「マツノザイセンチュウ」が松の木に移り繁殖します。
マツに入り込んだセンチュウは、急激に(数週間)樹勢を弱らせ、松を枯死させます。松の木の頂上あたりを皮切りに数日〜1週間程で松葉すべてが茶色(枯れ色)になってしまいます。
マツが枯れた頃にはマツノマダラカミキリの産卵期となります。枯れた松に産卵し、幼虫のまま越冬、翌春に蛹となって5〜7月頃に再び羽化します。
羽化して飛び立つとき、マツに寄生している「マツノザイセンチュウ」の一部が再び気門に入り込み、カミキリムシによって他の木へと運ばれ蔓延します。
松が枯れてしまう「松材線虫病」は、「マツノザイセンチュウ」によって引き起こされます。
これは本当に小さな細い虫で、長さは1mm未満、太さは数ミクロンです。
写真中、細い糸くずのようなものが「マツノザイセンチュウ」を含むと思われる線虫です。
多いときは数グラムの試料(木片)から相当数の数の線虫が分離されるのですから、樹木全体では見当もつきません。
写真の上にカーソルを置くと、同じ位置から撮った写真中で、線虫が動いていることが分かります。
実線は1cm単位、破線は1mm単位です。
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