(昨日の続きから)
掘りだした土(現況土)に、土壌改良材を3種類混合しますよ。
この有機質系土壌改良材は、広葉樹皮堆肥(バーク堆肥)に、土中有用微生物を混合して発酵させた、樹木の根系発達に順応した改良材です。これくらいに細かく熟したバーク堆肥は、さすがにホームセンターなどでは見かけませんね。
つぎに無機質系土壌改良材。
これは汚泥等を高温で炭化させたもので、いわゆる「炭」の良いところを利用する資材です。
炭は微細な孔が多くある「多孔質」素材なので、通気性や保水性、保肥力を作るのはもちろん吸着性も確保できるので、例えば肥料分が短時間で溶脱せず緩やかに効くようになります。
さらに、液体の植物活力剤を投与します。
この活力剤には土中有用微生物を多く含みますので、一定量の有機腐植を含む土壌に散布することで土中微生物の絶対量を増加させ、また土中腐植を元にした微生物の活性化を促します。
豊かな土作りには最適です。
上の、有機と無機の袋入り改良材を、掘り上げた現況の土と混合します。
現況の土を捨ててしまって、新たに購入土と改良材を混合して施用するのも方法ですが、残土を発生させると処分費が発生して、さらに購入土の費用が発生します。
上手に改良材を選択使用することで現況土が利用でき、残土処分と新土購入の費用が節約できます。
掘り上げた部分に、混合した改良土を敷きならします。
ふかふかの土はよさそうなのですが、あまり柔らかすぎるのは過剰な保水となることや、不等沈下によって地表面に水たまりが出来てしまったり、樹木本体の支持力低下にもつながります。
機械で固めてはいけませんが、人間の足で丁寧に踏んで、しっかりとした密度に敷均しますよ。
樹木は、どれだけ生育環境が悪くても、自分の意思で移動することができません。
健全に守るのも、枯損に追い込むのもすべて人間の仕業です。
既存の樹木に対する土壌改良は非常に手間のかかる手法ですが、適切に手間をかけてやれば健全に永らえるものと確信しています。