岐阜県緑の博士(グリーンドクター)協議会の飛騨ブロック研修会。
今回は岐阜県高山市丹生川町の、五色ヶ原へ自然散策です。
自然の植生を肌で体感してみようというもの。
環境省自然公園指導員の上平尚(かみひら たかし)さんの案内で、山中を徒歩約7時間の散策です。
今回はとても山深くを巡る「シラビソコース」。
気温約13℃、雨が降りそうな天気ですが、スタート。
午前3時間、午後4時間の原生林めぐりです。
足元には、バイカオウレン、ゴゼンタチバナ、イワカガミ、イチヨウラン他、無数の山野草が生い茂ります。
なかには乱獲で殆ど無くなってしまったものが、自然のサイクルで増えつつある種も。
植生の更新に適宜必要最小限の除間伐が行われていますが、本当の自然林。
ところどころにリスの食卓も。チョウセンゴヨウの実(マツノミ)を食べてたんでしょう。
また、倒木を巻き込んだ木の根元。倒木が腐朽して消え失せ、巻き込んだ形だけが残ってます。
雄池の夏場は水が湛えられているのですが、秋のこの時期は空池。
カエデ類、シラカバ、ダケカンバ、ウダイカンバなどの黄紅葉。
晴れていればもっとすばらしい色づきを見られたことでしょうけど、これでも十分。
「シラビソ」と「オオシラビソ」、名前や外観は非常に似ていますが葉の違いで判別できます。
写真は「オオシラビソ」の葉。
コシアブラはクマの大好物。
クマが木に登った爪あとは、山のいたるところに見られます。
豊かな自然の証拠ですね。
乗鞍に降った雨を豊かな森が湛え、数百年のときを経て湧き出しています。
源流は、岩の間から伏流水が湧き出すところから始まります。
最初は細い流れですが、いたるところから湧き出る伏流水で、あっいうまに川を形成していきます。
手付かずの自然には、数十センチもある大きなヤマトイワナも悠々と息づいています。
湧き水の水温が年中殆ど変わらないのは、深い森のおかげ。
源流の流れ始めから数キロ下流、すでに大きな流れとなって、大きな滝を何本も形作っています。
豊かな森と水。
森林国である日本が大事にしなければならない自然です。