5月の上旬、「ウメの木の葉が出ない。枯れた原因と植替えを」とのご連絡。
伺って拝見させていただくと、本当に葉が無いのです。
この時期に葉が無い、普通なら「枯れた」ってところですが。
でもね、先端の前年枝は「みどり」、生きている色をしているんです。
私の見解は、「まだ生きているはず」。
お客さんの意見や植替え依頼を押し切って、自分の見解をもとに処置を施させて頂きます。
さぁ、復活するかどうか・・・
地表を見ると、根元は今年になって「モグラ」のトンネルだらけになっているようです。
モグラの仕業で根系が切断されたり根が土に着いていないなど、吸収部分の問題が多そうです。
なので、土中対策にモグラ忌避剤の投与と、モグラのトンネルによる空隙を埋めるために、植物活力素を溶かした水で土を流動化させて流し込み、土の密度を高めます。
それと同時に、地上部の活力用に「ステミックス」の樹幹注入を行います。
かなり強い効果が出ますので、樹勢不良ごと1回しか投与できないカンフル剤です。
ボトルの上部を叩き沈めて、緩い圧力(注入用水圧)を加えます。
これを、あらかじめ幹に打ち込んだ注入用パイプに差し込むんです。
下の写真は、依頼された5月上旬の様子。
本来なら新緑があるはずの時期なのに、葉の一枚もありません。
処置は5月上旬に一度のみ。
6月下旬になり、青い枝の付け根から新緑が発現してきました。
回復するはずと確信しての処置ですが、芽吹いて青さが増してくると、樹木の生命力には本当に驚かされます。
萎れたり縮れたりしていない(委凋(いちょう)していない)葉が前年枝の付け根から、みずみずしく開いています。
まずは生きていることに本当に一安心です。
もう少し様子を見ながら、どこまで回復するのかを処置してみましょう。
さらにこのお宅には、モミジの樹性不良も。
原因は樹幹に巣食う「アリ」の仕業。
アリの殺虫剤を試してみることにします。