昨日土曜、岐阜県緑の博士(グリーンドクター)の研修会でした。
場所は有名な、岐阜県の「根尾の淡墨桜」。品種「エドヒガン」の古木。
樹齢1640年±10年程だそうで、国の天然記念物です。
今日現在、樹高16m、枝張りは30mにも。
しかし、その昔…
戦後直後は今の姿からは想像できないほど衰弱し、枯損したも同然の姿になりましたが、その後の処置によって若々しいほどに回復しています。
新緑の淡墨桜を見ると、その生命力は本当にすごいなぁと感心します。
これだけ大きなサクラなら、多少の枝枯れがあるのは普通なのですが、1本の枝枯れもなく全て健全に生育している枝ばかり。
もちろん放置しての樹形ではなく、毎年毎月毎日の丁寧な手入れによってこの樹形や樹勢が保たれています。
大枝の内部は殆どが腐朽して全く強度が無く、40本程の支柱で支えています。
支柱を取り付けている枝の腐朽部には、支柱を取り付けるためにウレタン充填とパテ盛り、FRP被覆をしています。
幹の周囲長は11mを超えていますが、北面は腐朽しています。
幹の生育断面は、馬蹄形ということです。
それでもこの樹勢を保っていられるのは、人による手入れがあってならではのこと。
壊すも守るも、枯らすも生かすも、すべて人間の仕業なのです。