この季節、この時期になると必ずといっていいほどお伺いするお問い合わせがあります。
「松が茶色く変色してしまった」と。
「夏の水やりが少なすぎたから枯れたのでは」と考えられるお方もおられます。
そして、「大事な松だから、治らないものだろうか?」とも。
この時期の、1週間足らずで枯れてしまうような急性のものは、ほぼ必ずと言っていいほど「マツノザイセンチュウ」による松材線虫病、俗にいう松枯れ病です。
枯れるメカニズムはともかく、この病気の場合は、枯れ色を呈した時点で助からないのです。
予防する薬(注入剤)があるのですが、この効果も必ずしも100%とはいえません。
でも処置しないよりは、罹患率は低く抑えられるはずです。
ふと周りの山に目を遣りますと、なるほど、山にも枯れた松が何本もあります。
周辺環境からして、松が枯れるのは、無処置では避けがたいところでしょう。
名前は「ルイスホソカタムシ」っていいます。
体長約15mm程の、細い虫です。
カシ類に穿孔するキクイムシ類の天敵で、キクイムシ類が生息する穴に入っていることがあります。
近頃、山林のカシ類を枯らしてしまう「カシノナガキクイムシ」の天敵とされる虫で、実際にこの虫が多く穿孔するカシは、カシノナガキクイムシの害に遭いにくいということです。
とはいうものの、ルイスホソカタムシがカシノナガキクイムシの幼虫を捕食するのか成虫を捕食するのか、どのような生体なのか、未だよくわからないそうです。
とはいえ、ルイスホソカタムシのおかげで、カシ類が枯れてしまうカシノナガキクイムシの害が少しでも収まれば、それはそれでよいのかな、とも思います。
もうすぐ夏の盆休みというかたも多いでしょう。
ちょっと数日お出かけしたいけど、鉢植え草花の水やりが出来ないから困ったなんてこともありますよね。
実際我が家は以前、夏休み前に子どもが学校から持ち帰ってきた鉢植えのアサガオを、盆の数日間の不在で枯らさないよう、ずいぶん神経を使ったことがあります。
おすすめなのは、土壌用の保水材です。
アサガオの場合、施用区と非施用区との4日間の簡易比較実験では、施用区は萎れはしたものの水やりで復活、非施用区は復活せず枯れてしまいました。
日当たりや土質などにもよりますが、いくらかの効果は期待できそうです。