Archive for 1月, 2006
樹木の生命力には、本当に驚かされることがあります。
「痛い!」なんて訴えることも無いですし、適切な飲み薬や塗り薬があるわけでもないので固有の治癒力なのですが、それでも「自己回復能力」があるのには今更ながら感心します。
傷を負った直後の様子。
かなりの広範囲に樹皮が剥がれてしまっています。放っておくと根元が腐ってしまう可能性が・・・
で、3年後の様子。
樹皮の再生が進んで、傷口が小さくなっています。治癒力って凄いですね。
細胞分裂の妙技には、本当に驚かされます。
でも、傷が付いたまま放っておいても直りません。
放っておくと、むき出しの木質部がどんどん
腐ってしまいます
少しだけ手間を掛けて傷の治りを早くするのが、私たち人間が出来る最善の処置です。
早めに見つけて、早めに処置する、人間の病気や怪我と同じです。
造園屋さんの仕事は単に木を植えるだけではない、木々の健康管理も造園屋さんの仕事・使命だと思っています。
現在までに作られた緑地緑化を如何にして維持していくか、また今までの緑化の問題点を洗いなおして、次の時代には従来よりも「より良い」緑化を築くことが、造園屋さんのこれからの仕事ではないかと思っています。
でも、手間代ばかりで材料仕入れの無い仕事を嫌う業者さんが多いのも、残念ながら事実なんですよねぇ・・・
昨日は、可児市から頂いた工事の完成(竣工)検査がありました。
検査といっても殆ど「不合格」になることは無いんですね。これが。
工事の段階ごとに、発注者さんが規定する規格に合格しているかどうかの測定他検査を行っていますから、完成(竣工)検査の時点で
「× 不合格」
ってことは無いのです。
道路工事なんかで黒板を使って写真を撮っている検査。見たことありません?
。
じゃぁ、なんで完成検査?
税金で工事を発注している側の責任として、部分的な抜きとり検査を行って、受け入れる確認を行っているんです。
条件は、発注内容=完成内容です。
(発注内容≠完成内容では、受け取れる筈がありませんよね)
一般の方々には意外と知られていないんですが、役所他公共機関が発注する仕事は、現場が出来ているのは当然ですが、それ以上に「書類」がきちんと作られて揃っているか、こちらも大きなポイントです。
これがまた結構な量で、場合によってはダンボール一箱くらいは必要になります。
書類が揃っていないと、
現場を受け取ってもらえません。
完成検査の日程も決めてもらえません
現場もさることながら、書類作成にも相当な時間・日数を費やさなければならないんです。
現場も書類も毎回きちんと作っているんですが、いざ「検査」っていう言葉を聞くと、ちょっと
緊張・・・
してしまいます。
寒い日が続きます。そんな中、今日は二十四節季の「大寒」。
これから節分までの間が、一年で最も寒い時期です。
さて、毎年夏の後半になると「松が急に枯れた!」という松枯れのお話を伺います。
松枯れ対策はいつ行ったらいいの?・・・
答えは「今」です。
こんな寒い時期に松枯れ対策?、と疑問に思われますよね。
今の時期は樹木の吸水活動が非常に低調なのですが、今のうちに樹幹内に薬剤を注入しておき、春からの吸水に伴って樹木内部全体に薬剤を巡らせようという処置です。
方法は至って簡単。幹にドリルで穴を開け、樹幹注入タイプの薬剤を幹に注射するだけ。
但しこの方法、健康な松に限った処置です。現在樹勢が弱い松には、薬剤が逆効果をあらわしてしまう場合があります。
樹勢が弱い松には、3月頃からの吸水活動開始に時期をあわせ、液剤「バイオビリオン」を地表面に投与します。
ある日突然枯れてしまうという残念な事態にならないよう、今のうちに処置を行っておいてはいかがでしょうか。
薬剤等についてのお問い合わせは
https://secure.alato.ne.jp/user/suetake/inquiry.html
からどうぞ。